また、N波中の最大波高Hmaxと有義波H1/3の間には下記の関係がある。
海上にある1点において、水面の高さを連続記録して作成した曲線から波高を取るには、次の法則による。
波高は相隣る波の山の高さを、その間の波の谷から測った値の平均とする。
記録曲線は図に示すように、主要波成分に高周波付加成分が重なった形となっているが、主要波成分のみを探って波高分布とする。
このようにして得たH1/3が船乗の観測する有義波高に相当する。
高周波成分まで全ての極大極小を採った場合、H1/10がほぼ有義波高に相当するもののようである。
連続記録から統計処理のためデジタル値を読み取る方法によっては、H1/3はかなり違った値が得られる。
ある高速艇の耐波試験における波浪計測例では、1/10秒間隔で水面高さを読み取り、全ての極大極小を採って波高を求めたところ、風浪の成分がほとんど消えて、うねり成分に近い平均値、有義値が得られ、平均周期は艇の運動記録から求めた応答周期よりかなり長い値になった。
また、波高観測には、平均水面を下方に向って切ってから次に平均水面を上方に切るまでの最低点から、平均水面を上方に切ってから次に平均水面を下方に切るまでの間の最高点までを波高とする方法がある。この場合は実質上、うねり成分に相当するものとなる。
我々の取扱う程度の小型船に対しては、うねりの成分をはっきりと分離して計測しないと、波浪応答特性を研究するための資料とはなし難い。気象情報に波浪予報が加えられた当時には、予報される波高が我々の常識に比べてかなり高いので、釣船の予約キャンセルが多かったという話もあるほどで、小型船の運動と波浪情報との対応は、どのような方法で計測し、どのようにして
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